皆さんご存知だと思うが、許昕と劉詩雯がリオ五輪のシングルスに出場しないということがわかった。

最近の許昕は「ますます強くなっている」という印象だった。
世界ランキングも3位。
オリンピックでの金メダルも夢ではないと思っていただけに、その雄姿がシングルスで観られないのは非常に残念だ。

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 馬龍に続き、張継科をシングルスの二人目の代表に選んだことについて、劉国梁総監督・兼男子監督は「コーチ陣で何度か会議を開いたが、意見はほぼ一致していた。今回の人選は意外なものではない」とコメントしている。

 「張継科をシングルスの代表に選んだのは、オリンピック・世界選手権・ワールドカップという三大大会での絶対的な実績があるからだ。張継科に比べると、許シンはシングルスの成績は明らかに劣る。オリンピックに出場したことはないし、世界選手権では一度3位に入っただけだ。
 しかし、許シンは団体戦でのプレーは張継科より安定している。前半のシングルスが終わって団体戦に入るまで、許シンが体力を温存しておけるのはおおきな強みだ。12年ロンドン五輪での(団体戦で活躍した)馬龍のようにね」(劉国梁監督)
卓球王国WEBより) 
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確かに団体戦での許昕は安定している。
動きまくるスタイルだけに、シングルスでの成績が安定しなかったのは「体力の消耗」という要因もあったのかもしれない。
体力を温存したフルパワーの許昕に大いに期待したい。


そして劉詩雯である。

私は先日、劉詩雯は「神の領域に近づいている」的な記事を書いたばかりで、リオ五輪のシングルスは劉詩雯が優勝候補の筆頭だと思っていた。

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「ロンドン五輪以降の4年間での主要な国際大会での成績、特にこの1年半の成績を重視した」という中国女子の孔令輝監督は、以下のようにコメントしている。

 「丁寧をシングルスにエントリーした最大の理由は安定性だ。なおかつ彼女は世界選手権とITTFワールドツアー・グランドファイナルでもタイトルを獲得した。劉詩ウェンのこの4年の成績も見事だったが、昨年から今年にかけて外国選手に3回敗れている。そのため、シングルスの出場権を丁寧に譲ることになった。
 13年世界選手権での優勝で〝大満貫〟を獲得した李暁霞、15年世界選手権で優勝した丁寧、この2つのタイトルが重要だった。シングルスに出場するのは最強のふたりでなければならない」
 (卓球王国WEBより) 
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世界ランキング1位なのに出られないというのは・・・その心中、察するに余りある。
圧倒的な強さであっても、ちょっとした取りこぼしが命取りになるということですね。

劉詩雯は「シングルスには出場できないけれど、五輪のコートに立てるのは、(Pカードとして帯同した)4年前のロンドン五輪での願いがかなった。自分にとっては素晴らしい舞台」と語っているという。

こちらも許昕同様、団体戦でその神がかったプレーを見せつけてもらいたいものである。


今回のオリンピックでは、許昕、劉詩雯というスーパースターが出られないという結果となったが、私はこの人選に文句があるわけではまったくない。
選んだ理由についても納得がいっている。
ただ、個人的にファンである許昕と劉詩雯が出られないというのが悲しいだけである。

かといって、張継科や李暁霞がシングルスに出られなかったとしても、それはそれで大いに残念である。
ディフェンディングチャンピオンが出場した方が盛り上がるし。

思うのは、もうちょっと出場枠って何とかならないものだろうか、ということ。
世界ランキング10位以内の選手は無条件でシングルスに出場させてあげてよ、と思ってしまう。 

世界ランキング2位の樊振東が団体戦にすら出られないというのはあまりにもせつないじゃないですか。
(樊振東は今大会、故障時などの交替要員である「Pカード」選手として参加)。


そんなわけで、少しでもこのせつなさを紛らわそうと、今日は許昕の動画を観ておりました。

許昕のサービスだけを集めた動画です。




フットワークに目を奪われがちな許昕のプレーですが、オリンピックではこの超絶サービスにも注目して観戦しようと思います。


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