今月号も馬車馬のごとく読み倒しました。


2016年10月号


今月号の目玉企画はこちら

【カラー特集】 
熱狂のリオ。
歴史を変えた日本の戦い


日本中を熱狂させたリオオリンピックを、選手のインタビューを交え、紙面で振り返る(ルポルタージュ形式)という内容。

水谷選手のインタビューはテレビや雑誌等でよく目にするが、吉村選手や丹羽選手のインタビューはあまり見る機会がないので、専門誌がきっちり取材をしてくれるのは非常にありがたいこと。

この特集では、水谷選手と吉村選手のインタビューが掲載されているが、吉村選手のオリンピック直前の知られざる苦労や、大会期間中の様子などが明かされており、吉村選手のリオ五輪出場の裏にあったドラマを少し知ることができた。

例えばこんな話↓

 団体戦の初戦はポーランドとでしたが、倉嶋監督に「僕を1番に起用してください」と直訴しました。それは、水谷さんと孝希はシングルスでオリンピックの緊張感を十分に味わっただろうから、僕が緊張感を味わうためには初戦の1番で出ることだと思ったからです。僕はリオに来て1度も試合をしていないから、本来ならばプレッシャーのかかる団体戦の1番、しかもそれがチームの初戦ともなれば、余計に不安ですが、勝ち上がっていけば絶対に緊張する場合が訪れると思ったんです。それならば、最初の試合でそれを味わっておこうと思って。
   実際に1番で試合をしたら緊張しましたし、初めて対戦する相手だったので難しい試合になりました。でもそこで勝てたことは自分の中で一つの壁を破れたというか、スタートはいい形で切れたかなと思いました。


この試合でもし吉村選手が負けていたら、日本の歯車は狂っていたかもしれない。

そう考えると、実に恐ろしいことですね……。



そして、今月号で注目すべき企画はこちら

【カラー報道】
インターハイ 全国中学校大会 全国ホープス大会


文字通り、3つの全国大会の報道記事であるが、大会の様子を伝えるだけの内容ではない。
この特集の中で、インターハイと全中で活躍した選手の「光ったプレー」を連続写真で解説しているコーナーがあり、これがしっかりとツボを押さえていて、非常に参考になる。

木造勇人選手(インターハイ王者)の「チキータレシーブからのフォアハンドドライブ」や、長崎美柚選手(全中王者)の「ラケットを思い切り振り抜くバックハンドでの連続ドライブ」など、全6選手の光るプレーを解説しているが、ここでは、1年生にして全中王者となった張本智和選手のプレーを抜粋する。

取り上げているのは「サービスを出した後、バック側に来たツッツキに対して回り込み、打球点を落としたフォアハンドドライブで3球目攻撃」というシーン。
これは宇田選手との決勝の第一ゲーム、10対11とリードされている場面でのプレー。

 言うまでもなく、第一ゲームを取るかどうかは、その後の試合展開に大きな影響を及ぼす。この場面では得意のバックハンドで攻める手もあったが、張本は状況の重要さを踏まえ、バックハンドよりも打球を安定させやすいフォアバンドを使って、ミスのリスクを減らしている。


IZCDZAGA

 張本のプレーを見るとき、目の覚めるようなバックドライブやカウンタープレーに目を奪われがちだ。しかし、この連続写真が示すように、絶対にポイントを落とせない場面では、より安定性が高い「負けないプレー」を選ぶ嗅覚と実行力が、張本の強さの本質にあることを見逃してはならない。


張本選手といえば、豪快な両ハンドドライブでガンガンに攻め立てる印象だけど、大事な場面であっても安定性を重視した打ち方を冷静に選択できるというのも、強さの秘密のひとつということである。

張本選手に限らず、試合を観戦する時は、派手なプレーだけでなく、こうした一見地味なプレーにも注目しなければいけませんね。


ということで、今回はこんな感じです。 

※ちなみに、1年生で全中チャンピオンになったのは、軽部隆介選手(シチズン)以来、15年ぶりだそうです。