今月号は、近所の喫茶店でまったりと読みました。


卓球王国 2016年 11 月号 [雑誌]


今月号の目玉は、先月号のリオ五輪シングルス速報に続き、団体戦の日本男女の活躍を伝える特集である。

迫力満点の写真とともに団体戦の模様を振り返るのはもちろんのこと、
水谷隼・丹羽孝希・吉村真晴・倉嶋洋介監督のインタビュー「松平賢二のリオ五輪レポート」そして「裏方としてリオを支えたプロ集団」など、様々な角度からリオ五輪を掘り下げた内容となっている。


ここで触れておきたいのはインタビュー記事について。
4人のインタビューは、東京五輪へ向けての熱い想いや、倉嶋監督の五輪の舞台裏の話など、非常に興味深い内容となっているが、特に驚かされたのは、水谷選手の舌鋒の鋭さっぷりである。

これまでも歯に衣着せぬ物言いでお馴染みの人ではあったが、このインタビューはいつも以上に強烈であった。

例えば、団体戦の初戦のポーランド戦については、「負けると思っていました」という。
それは試合前の、チーム全体の「ポーランドを甘く見みている」という雰囲気があったから。
水谷選手は内心、「そんなに甘くないよ。ここはオリンピックだよ。そんな気持ちなら負ければいいじゃん」と思っていたという。

 トップの吉村が競り勝ち、2番で僕が勝った。その時に、「オレが考えすぎていたのかな、このまま行ってくれよ」と思っていたら、ダブルスも負けて、丹羽も負けた。ぼくはあきれちゃって、5番でコートに入る時に怒っていたんですよ。「おれ、もう負けるから」と言いました。
   それまでのことがストレスとしてたまっていた。みんなの相手をなめている感じが、ぼくのストレスになっていて、「そんなに日本は強くないぞ」と言いたかった。なんでみんなはこんなに余裕があるんだと。吉村も楽しんでいる感がありすぎだった。トップに出てベンチに帰ってきたら「緊張しますよ~」とか言っていて、「ふざけんなよ」と思っていた。
 ぼくが5番の時にそう言ったから、ベンチはしらけていたと思う。みんなの「5番に回せば水谷さんだから勝ってくれるだろ」みたいな気持ちがわかったから、「おれは普通に負けるよ」と言いました。ぼくに頼らず、5-0で相手を倒すという気持ちで戦ってほしかったのに、誤解されていたからしらけていた。


うーん、辛辣ですね。
これはほんの一部の抜粋で、他にも辛口なコメントを放っているのだが、ノリノリの絶好調に見えた水谷選手が、実は内心こんなことを思っていたのかという事実に驚かされた。
がしかし、自分に厳しい人だからこそ、チームメイトに求めることも厳しくなるというのは当然のことだろう。



そして、今月号から新たな企画がスタートした。
それがこちら!

レッスンプロがキミを強くする!  vol.1 フォアドライブ


この企画は、練習してもなかなか上達しないと悩む人のために、人気卓球スクールのレッスンプロが、上達のコツを紹介するとう内容。

監修する卓球スクールは、東京・神奈川に4店舗を構える人気の卓球場&スクールのTACTIVE(タクティブ)。

第1回のテーマは「フォアドライブ」で、うまく回転がかけられない人に向け、そのコツと練習方法を紹介。

ここでは、さすが人気スクールのレッスンプロ、と思わせるような、一風変わった練習法がいくつも紹介されている。

例えば、「ボールをこする」という感覚を覚えるための「角打ち」という練習法。

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   真上スイングを覚える練習として「角打ち」をやってみましょう。相手にボールを出してもらい、下から上にスイングして、ラケットの角で打球するだけです。
「こする」スイングはボールをとらえるのが非常に難しく、空振りが怖くて「ぶつける」スイングになってしまう人が多いのですが、角打ちを意識すると真上スイングと正しい打球タイミングが自然と身につくのです。
   角打ちができるようになったら、ほんの少しだけスイングのタイミングを早めてみましょう。打球面に当たって、ボールは山なりに飛んでいくはずです。この時、ボールにはしっかりと回転がかかり、「こする」ドライブになっているのです。

なかなか上達しないとお悩みの人はもちろんだけれど、卓球を始めたばかりの初級者を教える立場にある指導者(中学校の卓球部顧問など)にも非常に参考になる企画だと思う。
10月末にはTACTIVE立川(5号店)がオープンするというTACTIVE。
そんな今勢いのある卓球スクールのレッスンを紙面上で受けられると考えると、なかなか贅沢な企画ですよ、これは。


【個人的にハマった記事】

今月号で私が最も興奮した記事は『私の戦型、私の個性〈Vol.5〉』である。
なんと、田崎俊雄さん(ペン表)が取り上げられていた。

取り上げるのは現役選手だけかと思っていたが、引退した人が取り上げられていること、そしてそれが、私が歴代日本人選手で1番好きな田崎選手だったので、非常に驚いた。

ショートはほぼ使わず、前陣・中陣から両ハンドでバッシバシ打ちまくるという「超独創的スタイル」で、世界が恐れたカミカゼ速攻ボーイ、それが田崎選手である。

 速攻型は体勢を崩した時、一度リズムを落としてコースや回転に変化をつけ、次球を狙う「我慢」が大切です。打球点が落ちてもプレーできないといけないし、ぼくにはそもそも「ペン表だから前陣にいないといけない」という考えがなかった。前面に軽く当てるブロックを送ってもらって、少し打球点を落としてフォアで動いて打つ練習を、大学時代の練習の休み時間にやったりしましたね。

なんて斬新な発想でしょう。
唯一無二のスタイルを確立するためには、こうした「常識にとらわれない考え方」が必要ということですね。

全国に何人いるかわからないが、田崎俊雄ファンの方は、これを読み逃してはいけない。

卓球王国さん、ぜひ『別冊 田崎俊雄』を出してください。



※最後に
「PICK UP」のコーナーで取り上げられていた、岡山県卓球協会副会長で歯科医の吉田隆行さんの記事も個人的にはグッときた。
長くなるので詳しくは書かないが、今年で78歳になるという吉田さんは、地方で卓球を支え続けて半世紀、いまだその情熱は衰えることはないという。
その卓球愛の深さに、読んでいてジーンときてしまった。 
地方の一都市にいる情熱家の魂に触れ、私の卓球愛などまだまだヒヨっ子であると感じた。