卓球教室の初陣を無事に飾りましたので、本日はそのことについてちょっこし書き記そうかと思います。



行ってきたのは、川口陽陽さんの運営するYOYO TAKKYU


YOYO TAKKYUは予約制なので、会員登録をして予め予約し、ソワソワしているうちに当日を迎えた。

電車を乗り継いで30分ほどで到着(時刻は19時40分)。

JR東中野駅(西口)を出るとすぐ目の前にYOYO TAKKYUの入っている建物があった。
階段で2階へ上がるとキックボクシングのジムがあり、その隣がYOYO TAKKYUであった。

卓球場の中から楽しげな喋り声が聞こえてくる。
知らない人が集まっている場所が非常に苦手である私は途端に緊張感に襲われ、廊下を行ったり来たり(早よ入れよ)。

5分前になったので、意を決してドアを開ける。

「こんにちは」という声で迎えられ、私も「こんにちは」と小さな声で言ってキョドっていると、ヨウヨウさんがこちらへ来てくれた。

「卓球教室に来られた方ですか?」
「はい、そうです」
「川口です。宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」

約20年ぶりの再会である。

ライバル関係にあった中学生時代は一言も喋ったことはなかったが、長い年月を経て、卓球教室のコーチと生徒という関係で再会することになろうとは、なかなかドラマチックであり、実に感慨深い。


簡単な説明を受けながら中に通される。
卓球場にはテレビがあり、リオ五輪の男子団体の決勝戦が映し出されていた。

そしてBGMとしてうっすらと流れる洋楽がオシャレな雰囲気を演出していた。

奥に1人用の更衣室があり、そこで着替えを済ませる。

続いて料金の支払いとなるが、ここでヨウヨウさんと、
「卓球歴はどれくらいなんですか?」
「昔ちょっとやっていて、最近何十年かぶりに再開したんです」
てな感じでちょっこし会話。

ヨウヨウさんは常にニコニコと素敵な笑顔でとても丁寧な対応である。


そして卓球教室がスタートする。
私が参加したのは『レベル問わず教室』というやつで、上限9人の1時間40分のコースである。

一番奥の台にヨウヨウさんが付いて、生徒も各台に付く(1人球拾い)。

5分くらいで区切って、時計回りに回っていくというシステム。

生徒同士で課題練習をやったりオールをやったりしながらいろんな人と練習するわけだが、戦型が実にバラエティに富んでいて驚いた。

シェーク裏裏、シェーク裏粒、ペンドラ、サウスポー、そして私以外にペン表もいたし、表ソフトで裏面打法をする人(表面は裏ソフト)もいた。

様々なタイプの人と打ち合えるというのは、卓球教室の特筆すべき利点であると感じた。


台を移動しながら練習を続けること数十分。いよいよ私はヨウヨウさんのいる台へ。

私が台へ付くなり、ヨウヨウさんは言った。

「〇〇さんは、出身はどちらですか?」
「高知県です」
と答えると、
「やっぱり! お久しぶりです」
と笑った。

「お久しぶりです。あっさりバレちゃいましたね」
「名前を見た時にそうじゃないかなって思ってたんですよ。やっぱりそうでしたか。言ってくださいよ~(笑)」
「すみません。覚えてないと思ったんで」
「試合したことありますよね?」
「はい。2回やりましたね」
「まさかここで会えるとは思いませんでしたよ」

覚えていてくれたことに喜びを感じるとともに、この会話で一気に緊張感が取れた私。
気合いを入れてヨウヨウさんと対峙する。

「お、裏面貼ってるんですね」
「ぜんぜん回転がかからないんですけど……」
「僕も裏面貼ってますけど、1年半くらい練習すれば上手くなりますよ」

なんて言いながら、ヨウヨウさんとの練習開始。


一球練習でも多球練習でもいいとのことなので、多球練習をリクエストした。
約20年ぶりの多球練習である。

「かつてのライバルだから球出しキツくしようかな」
「お手柔らかに」


全面に送ってもらって切り替えの練習をする。

1分くらいやったところで、腕が悲鳴をあげた(早っ)。

二の腕に激痛が走り、息も絶え絶えに……。

なんたる体たらく。
なんたるポンコツ。

約20年ぶりの卓球再開とは言っても、私はまだ30代半ばである。
なぜにこんなにバテるのか不思議でしょうがない。


打ち方のアドバイスをもらいながら多球を続ける。
腕が激烈に重く、切り替えがスムーズにいかないが、必死に打ち込む。

「バテました?」
「めっちゃバテました」

私はヘロヘロになりながら、やっぱり両面貼ると重いですねぇ、と言い訳じみた台詞を吐こうとしたその時、ヨウヨウさんが私のラケットを握り「軽っ! めっちゃ軽いですね」と言った。

私は出かかっていた言葉を飲み込み、ヘラヘラ笑いながら「そうなんですよ。厚さが中なんで軽いんですよ」なんて言う始末。

3分もたずに多球練習が限界を迎えたので、次はヨウヨウさんにドライブを打ってもらってそれをショートでブロックする練習。

これはほとんど止めることができて「ブロックうまいですね」と褒められた。

ここで1回目のヨウヨウさんとの練習は終了。


自分のポンコツぶりに絶望しつつ、また他の生徒さんとの練習に移る。

2週目は私が課題練習をやる番なので、3球目攻撃の練習をやる。
しかし、もう腕が言うことをきかんのである。

二の腕が早くも筋肉痛状態で激烈に痛むし、指先にもあまり力が入らない。
ちょこっと多球をやっただけなのに……。


それでも何とか乗り切って、またまたヨウヨウさんの台へ。

今度は2本ずつのオール。
「懐かしいですね」なんて言い合いながら、ペン表同士バチバチに打ち合った(一方的に打たれたという噂もある)。


その後また他の生徒さんと練習し、ちょうど体力が限界を迎えた頃に卓球教室終了の時間となった。

終了後は30分間無料解放となるので、生徒同士で打ってもよいとのこと。

その30分間、私はベンチに座ってヨウヨウさんとずっと喋っていた。

ヨウヨウさんは他の生徒さんにも、約20年ぶりに再会したエピソードとともに、私のことを紹介してくれた。

おかげで他の生徒さんともちょっこし喋ることができた。

最後は
「今日はお会いできて嬉しかったです」
「また来ます」
と言葉を交わし、私はYOYO TAKKYUを後にした。


こんな感じの初めての卓球教室体験であったが、非常に充実した練習ができ(生徒さんたちのレベルが高かった)、ヨウヨウさんとも話しができてとても楽しかった。

今回の記事は、卓球教室の雰囲気を伝えることによって、私と同じように「練習相手いない問題」で悩む方に少しでも参考になればと思って書いたのであるが、ヨウヨウさんとのエピソードを挟み込んだこともあり、あまり参考にはならなかったかもしれない。

ただ、卓球教室という場所はいろんな人との出会いがあり、普段はできないような練習ができる場所であると思うので、練習相手がいないという人だけでなく、どこかの卓球グループに参加している人であっても、新しい楽しみや可能性を見つけられる場所なのではないかと思う。

卓球教室のサイトを眺めるだけでもけっこう楽しいので、試しにちょっこし覗いてみてはいかがだろうか。