先日行われた全中国選手権の女子シングルスで、朱雨玲(WR4位)が優勝した。

なんと3連覇だそうである。

これはあの伝説の世界チャンピオン、荘則棟大先生以来とのことで、リオ五輪の代表3選手が棄権や欠場していたとはいえ、素晴らしい記録である。

参考記事→ 全中国選手権で朱雨玲が3連覇、男子は樊振東がV


決勝戦の相手はカットマンの武楊さん。




強烈なフォアドライブとストップでの揺さぶりに、武楊さんはなかなか対応できていませんね。
見事なカットマン攻略です。


朱雨玲と言えば、バックハンドに定評のある選手で、ブロックの堅さは天下一品である。

「守備力は世界一」なんてことを言う人もいる(カットマンに使うべき言葉ではないのか?)くらいのそのブロック力のおかげか、ラリー戦にめっぽう強い。


朱雨玲の強さがわかる、ちょっと変わった角度から撮影した試合動画がコチラ↓




上背がある選手ではないが、フォアハンドドライブは強烈だし、バックもブロックだけではなく、ドライブや強打もうまい。

やはりラリー戦はバツグンに強い選手であると言える。

そしてフットワークが良く、ピッチも速い。
そこは丁寧を上回っている。

このパワーとスピードに対抗するのは並大抵のことではない。


世界ジュニアで2度も優勝し、その後も順調に成長している朱雨玲は、現在21歳と若く、まだまだ伸びしろがある。

このままいけば、次世代の世界チャンピオン候補の筆頭ということになるかと思うが、当然、日本にとっても最強のライバル選手になるのは間違いないだろう。
となると、果たして誰がこの選手を倒すのか。

私の予想としては、その可能性が最も高いのは、伊藤美誠選手と平野美宇選手ではないかと思う。

なぜかというと、朱雨玲に勝つためのポイントは「速さ」にあるのではないかと思うからだ。


朱雨玲は、丁寧よりスピードはあるがパワーでは劣る。
劉詩雯よりパワーはあるが、スピードでは劣る。

つまり、パワーもスピードもあるが、神がかり的な武器はない、とも言える。

パワーかスピードのどちらかで朱雨玲を上回れば勝機は見えてくるということである。
日本人選手が朱雨玲のパワーを上回るのはちょいと難しそうだけれど、スピードなら可能性は大いにある。

劉詩雯と朱雨玲が戦うと、どうしても劉詩雯の神がかり的なスピードについていけずに敗れる、といった展開が多い(ように思う)のだが、この2人の試合を観ていると、ここに日本人選手の勝利のポイントがあるのではないかと思えてならない。


劉詩雯ほどのスピード卓球に対抗するのは至難の業だが、朱雨玲のスピードであれば、伊藤選手&平野選手であれば、凌駕できる可能性はある。

朱雨玲に限って言えば、石川佳純選手よりも伊藤選手&平野選手の方が、勝つ可能性は高いのではないかと思う。

日本のスピードスターが、中国の新女王をきっと倒してくれるだろうという予感がする。


とまあ、こんなことを最近考えていたのであるが、そうしていると先日、「平野美宇選手が世界最高峰の中国スーパーリーグに参戦!」てなニュースが飛び込んできた。

しかも平野選手は、朱雨玲が在籍する内モンゴル自治区のオルドスのチームに所属する、とのことで、朱雨玲とチームメイトになるようだ。

これはなかなか面白いではないですか。 

朱雨玲のプレーを間近で観て、練習を一緒にする機会もあるわけだから、仲間としてスーパーリーグで戦いながらも、朱雨玲のことを研究・分析もできるというわけである。

何年か経って、かつてのチームメイト同士が世界の舞台の大一番(東京五輪かな)で激突するなんてことになれば、また劇的なドラマが生まれそうではありませんか。

今から実に楽しみである。


先程、朱雨玲はまだ若くて伸びしろがあると言ったが、今後、朱雨玲がレベルアップして、劉詩雯並のスピードを手に入れたとしたら、パワーがある分、今の劉詩雯よりやっかいな選手になる可能性はある。

恐ろし過ぎて想像したくはないけれど、中国の若手エース選手は、往々にしてそんなモンスター選手に育つものだから嫌になっちゃう。

まあ、朱雨玲はもう少しカラダを絞れば、それだけで今すぐにでもスピードアップできるような気もするけどね……。


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