今月号も、ねちっこく読み倒しました


2016年11月号


今月号の目玉企画はコチラ

【カラーインタビュー】
水谷隼×邱建新
2人の戦い

【カラー技術特集】
メダルをつかんだ技術


水谷隼選手と、3年間にわたって水谷選手のプライベートコーチを務めた邱建新さんの最強コンビが卓レポ誌面に降臨した。

まずはインタビューであるが、
2人の出会い、邱建新さんの来歴、水谷選手が邱さんにコーチを依頼したワケ、契約後の具体的な指導内容、「試合が多いので練習量を減らしたいが、もっと強くなりたい」という水谷選手が出した無理難題にどう答えたか、そしてリオ五輪での大活躍など、2人が歩んできた戦いの軌跡を振り返りながら、水谷選手の大きな飛躍の真相に迫る、という内容になっている。


女子では福原愛選手や石川佳純選手などがプライベートコーチと契約をしていたが、意外にも男子選手は前列がなく、水谷&邱コンビがパイオニアであるという。

水谷選手は17歳で全日本を制してから邱建新さんにコーチをお願いするまでの7年間、誰にも卓球を教わっていなかった。

コーチなんていてもいなくても変わらないと思っていた水谷選手は、全日本にもコーチなしで臨んでいたという。

しかし、今のままでは強くなる限界まで来てしまったと感じた水谷選手。

そんな水谷選手を邱建新さんとのプライベートコーチ契約に思い至らせた出来事が2つあるという。

ここでは、ひとつだけ抜粋する。

それは、全日本の決勝戦で丹羽孝希選手に敗れた後のエピソード。

「あの決勝の後、邱さんと話す機会があって、『自分がベンチに入っていたら絶対にお前を優勝させることができた』と言われたんです。
   技術的なアドバイスもしてもらったんですが、そのときに、この人はすごくよく僕のことをわかっているなと思ったんです。僕がされたら嫌なことも、僕がどうすればよかったのかも教えてくれて、こういう人が身近にいてくれたらなという思いはありました。
   ただ、そのときはまだ邱さんにプライベートコーチになってもらいたいという具体的な考えはありませんでした」


邱建新さんの周囲では、スランプ中の水谷選手との契約を反対する声もある中でプライベートコーチ契約を結んだのには、2つの理由があったという。

ひとつは、ドイツでクラブチームの監督として、ほとんどすべてのタイトルを獲得してきたので、次は世界を舞台に戦ってみたいという個人的な思いがあったから。

そしてもうひとつは、

「私が水谷の依頼を受けたもう一つの大きな理由があります。それは、卓球というスポーツの地位を高めたかったということです。テニスではトップ選手おのおのに専属でコーチ、マッサー、トレーナー、ドクターなどがいて、チームで一人の選手を支えています。いずれは卓球もそんなふうにしていきたいという水谷の意向に私も強く賛同しました。
   だから、水谷と私が成功すれば、男子選手がプライベートコーチと契約するモデルケースにもなるし、注目を浴びることでスポンサーも興味を示しやすくなるだろうと考えました。その考えは間違っていなかったと思います。
   水谷が私と契約した後には、オフチャロフ(ドイツ)とアポロニア(ポルトガル)もそれぞれプライベートコーチを探して契約を結びました。私たちが先駆者になったことには大きな意味があったと思います」


2人が契約を結んだ背景には「水谷選手のレベルアップと、邱建新さんの一層のキャリアアップを図る」こと以上の強い思いがあったということである。

こんなドラマが隠されていたとは、いち卓球ファンとしては、グッとくるものがある。


時には衝突することもあったようだが、インタビューを読んでいると、お互いが強く信頼し合っていることが、ひしひしと伝わってきた。

その絆の強さはチャゲアス KinKi Kids並と言っても過言ではない。



そしてインタビューの次はカラー技術特集。

リオ五輪で水谷選手が見せた、これまでとは別次元のプレーの数々。

技術特集では、スケールアップした水谷選手のプレーを「サービス」「レシーブ」「ラリー中の技術」の3つのテーマに分け、それぞれのポイントを水谷選手と邱建新さんがコメントするという内容。


ここでは、「ラリー中の技術」の中から「バック側に来たチキータに対してバックハンドで攻撃的に対応するときのポイント」を紹介する。

水谷選手は次のように語る。

   チキータはスピードが速くて回転がかかっている上に、ボールが曲がるように飛んできます。そのため、バックスイングを大きく取ってしまうと打ち損じる危険性が高くなります。チキータに対してバックハンドドライブするときは、ボールを正確に捉えられるようコンパクトなバックスイングを心掛けています。
   コンパクトにバックスイングしたら、ラケットを前に振り出しながらボールの上の方を打ちます。
   ボールを打つときは、こすろうとしすぎるとチキータの回転と喧嘩してしまい、打球が安定しません。ボールをこするのではなく、軽く押すイメージで打ちます。そうすると、チキータの回転を利用できるので、自分の力を使わなくても打球にスピードが出て、変化もつきます。

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チキータを攻撃的に返すのは非常に難しい技術だけれども「軽く押すイメージで打つ」ことがポイントなんだね。

私も裏面打法で試してみたいと思います。



この2人の特集の後は、レギュラー企画である「水谷隼の卓球」「邱建新の強くなるシステム練習」と続くので、今月号の卓レポは、まるまる半分が、水谷&邱建新コンビが占めている。

ということで、いま最高にホットな師弟のエッセンスを、これでもかというくらいに吸収することができる、激熱な11月号でした。

※ちなみに、邱建新さんの現役時代の戦型は「ペン表」である。私的にはなんだか知らないけど、ちょっぴり嬉しい。